高齢者が注意すべき病気

高齢者が注意すべき病気の1つとして、感染症が挙げられます。高齢者の免疫力が低下することが原因です。免疫は人の体内に入った細菌やウィルスを異物として攻撃するので、免疫力が十分なら感染症にかかりにくくなります。しかし、高齢になると免疫機能を持つT細胞が作られにくくなり、T細胞を助ける脾臓やリンパ節の機能も衰えて免疫力が低下します。そのため、高齢になると感染症にかかりやすくなり、対処が遅れると死に至るケースもあります。また、1つの感染症が他の感染症の原因となって悪循環を引き起こし、恒常的な状態の悪化を招く恐れもあります。注意すべき感染症は、インフルエンザやノロウィルス感染症、尿路感染症などです。感染経路には病原体に触れることで起きる接触感染、感染者のくしゃみなどの病原体を含むしぶきが体内に入ることで起きる飛沫感染、飛沫が乾燥して空気中に漂いそれを吸い込んで起きる空気感染があります。

高齢者本人ができる感染症対策は、十分な睡眠をとり運動をしてバランスのよい食事で体力をつけることです。毎日を楽しく過ごしてストレスを減らすことも、免疫機能を向上させて感染症の予防につながります。感染症が流行する冬場は特に、入浴をして体の清潔を保ちましょう。高齢者の家族が心がけることは、帰宅したときのうがいとこまめな手洗いです。子供が感染源となることも多いので、しっかりと手洗いの指導をし習慣化しましょう。介護者は、介護の前後に手洗いをします。手袋をつけていても手洗いが必要です。予防接種ができる場合は、高齢者本人と家族の両方が受けておくと安心です。